力振り絞ったサニブラウン=初ファイナル、プロの自覚―陸上DL
パリ五輪シーズンを駆け抜けてきたサニブラウンのエネルギーは、枯渇寸前だった。今季改善したスタートで出遅れ、30メートル以降の加速で巻き返したものの、終盤で後退。「体も心も疲れがだいぶきていた。集中し切れていなかった」。苦笑いで振り返った。
世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)で、年間成績上位者だけが集うファイナル。その男子100メートルに日本選手として初めて出場した。気温13度と体が冷えやすい条件下、力を振り絞って10秒10。「やり切った感はものすごい」。今季最終戦をけがなく6位で締めくくった。
パリ五輪は準決勝で9秒96をマークしたが、決勝に進めなかった。心身の調整が難しい中、8月下旬のDLローマ大会でポイントを積み上げ、ファイナルの出場権を勝ち取った。「自分という選手をしっかり世界の舞台で証明しないといけない」との言葉にはプロ選手の自覚がにじむ。
ちょうど1年後は世界選手権東京大会の開幕日。「決勝はマスト。メダルに食い込まないと、今までやってきたことの意味がない」。悔しさを胸に刻み、飛躍を誓った。(ブリュッセル時事)
[時事通信社]
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