ロシアの脅威、減退せず=中国との連携を警戒―ノルウェー軍幹部・第1部「二つの北極」(4)〔66°33′N=北極が教えるみらい〕
ノルウェー軍のルネ・アンデルセン統合司令部司令官は、ウクライナ侵攻後も北極におけるロシアの軍事的脅威は高いままだとして、防空・ミサイル防衛や監視態勢を強化する方針を明らかにした。1日までに、ノルウェー北部ボーデで時事通信の単独取材に応じた。
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アンデルセン氏は、ロシアが2014年にウクライナ南部クリミア半島を一方的に「併合」した後、北極圏に拠点を置く北方艦隊を英国や米国の近海にまで派遣するようになったと指摘。22年に始まったウクライナ全面侵攻で大きな損害を出す中でも、「ロシア軍は北極圏の海・空戦力をそのまま維持し、以前とほぼ変わらないパターンで活動している」と分析した。
ロシアがノルウェーとの国境地帯などに配置していた陸軍師団はウクライナに送られ、壊滅的損害を被ったとされる。ただ、アンデルセン氏は「ロシアは戦時経済体制の下、兵器や弾薬を増産しており、より増強されたロシア軍部隊と対峙(たいじ)する将来を想定しなければならない」と警戒感を示した。
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国際的孤立を深めるロシアは、北極での資源開発などで中国との連携を強化している。昨年には、中国海警局がロシア連邦保安局(FSB)と協力することで合意した。
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アンデルセン氏は「現時点では中国が北極で軍事的存在を拡大していると認識していない」としつつも、「中国は遠洋での作戦活動を可能にする海軍力を急速に伸ばしており、一部は北極や南極で活動するためのものだ」と強調。「情勢は中ロ両軍が北極でも活動する方向に向かっており、備える必要がある」と述べた。
[時事通信社]
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