経済政策、独自色じわり=ハリス氏、投資家に配慮も―米大統領選
【ワシントン時事】民主党のハリス副大統領が、米大統領選に向けた経済政策で独自色を発揮し始めている。投資収益に対するキャピタルゲイン課税では、投資家に配慮し、バイデン政権が掲げる目標よりも低い税率を設定。起業や中小企業重視の姿勢を鮮明にし、大企業への恩恵が大きい法人減税を掲げる共和党のトランプ前大統領との違いを強調している。
10日開かれる大統領選討論会では、トランプ氏との違いだけでなく、バイデン氏とも異なる「ハリスカラー」も問われそうだ。
ハリス氏は、7月下旬のバイデン大統領の選挙戦撤退を受けて急きょ出馬したため、準備がほぼできないまま選挙戦入りした。政策面では、中間層の強化を重視するバイデン政権の基本路線を踏襲。新たな政策は、住宅取得時の頭金補助や乳児がいる世帯への大幅減税などにとどまった。
9月4日に示した追加政策では、「小規模ビジネスの強化が最優先課題の一つ」と独自政策を打ち出した。起業時の税額控除を現行の10倍に当たる5万ドル(約710万円)に拡充し、借入時の利子負担軽減策も示した。
超富裕層向けキャピタルゲイン課税の強化では、税率を28%に抑えた。バイデン政権は、格差是正を目的に39.6%と現行の約2倍に引き上げるよう求めていたが、ハリス氏は「イノベーターや創業者、中小企業への投資に報いる」と説明。投資を促進する必要性も訴え、「バイデン離れ」を印象付けた。
小規模ビジネス重視の政策は、ハリス氏の支持層への恩恵が大きい。コロナ禍以降、米国は「小規模ビジネスブーム」(陣営幹部)に沸いている。けん引するのが、ハリス氏の支持者に多い黒人や中南米系、女性だ。在宅ワークの普及で、自宅でできる小規模ビジネスを手掛ける人が増えているとみられている。
[時事通信社]
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