「決して諦めない」=遺族ら情報提供呼び掛け―上智大生殺害28年、東京・葛飾
東京都葛飾区柴又の住宅で1996年、上智大4年小林順子さん=当時(21)=が殺害された事件は9日、未解決のまま発生から28年を迎えた。「犯人を追い続けている。決して諦めない」。遺族や警視庁亀有署員らは同日、現場跡地で献花式を行い、近くの京成柴又駅で情報提供を呼び掛けた。
父賢二さん(78)は、同日午前、事件解決を祈って現場跡地に設置された「順子地蔵」の前で手を合わせた。賢二さんは「尊い命と夢を奪った犯人を絶対に許せない」と訴え、「最も恐れているのは事件の風化。遺族の思いを発信し続けたい」と話した。
献花式の終了後、署員らは柴又駅で事件概要などが書かれたチラシとメモ帳をそれぞれ200~300部配布し、情報提供を呼び掛けた。
事件は96年9月9日夕に発生。順子さんは自宅2階で手足を縛られ、鋭利な刃物で首や顔を刺されて殺害された。自宅は放火され、全焼した。
現場に残されたマッチ箱からは血液型A型の男の血痕が採取された。現場付近では事件当日、黄土色っぽいコートと黒いズボンを身に着けた不審な男が目撃されている。
同庁にはこれまで計1734件の情報が寄せられたが、今年は8月27日時点で17件にとどまる。佐藤雅一捜査1課長は「この事件は(犯人とみられる人物の)血液型やDNA型が分かっているからこそ、情報提供が欲しい。順子さんの無念を晴らすために、ご協力をお願いします」と訴えた。
[時事通信社]
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