幼い頃から「特別な選手」=国枝さんが見た小田―車いすテニス〔パラリンピック〕
パリの舞台で躍動する車いすテニス男子の小田が競技を始めたきっかけは、長く第一人者として活躍してきた国枝慎吾さん(40)の存在に他ならない。
骨肉腫の手術で入院中だった9歳の時、国枝さんが2012年ロンドン大会でプレーする映像を見て、その格好良さに心引かれた。2人が初めて会ったのは、小田がテニスを始めて1年ほどたった頃。国枝さんのコーチが主催した17年のジュニア大会に小田が参加した。当時から人一倍パワーがあり、攻撃にたけていたと話す国枝さん。「もう既にうまかった。才能にあふれているというか、彼が特別な選手なんだと、その時から感じた」と振り返る。
直感した通り、小田は瞬く間にトップ選手へと駆け上がった。今大会までの成長も著しく「実力的には、ずぬけて1位なんじゃないか。サービスで他のライバルとの差をつけている」と評価する。
車いすテニスをスポーツとして見てもらえるよう尽力してきた国枝さん。現役を引退した際、小田にこの競技の将来を託した。小田は「お客さんに見てもらってエンターテインメントにしていかないと、という責任感はある」と語っていた。意志は確かに継承されている。 (時事)
[時事通信社]
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