米、イスラエルとハマスに譲歩要求=ポリオワクチン接種進む―ガザ
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放に向けた交渉に関し、米国務省のミラー報道官は3日、「ガザには依然、数十人の人質が残され停戦を待っている。合意を完成させる時だ」と述べた。その上で「妥結には両者が柔軟性を示す必要がある」として、イスラエルとイスラム組織ハマスの双方に歩み寄りを求めた。
ミラー氏は「イスラエルの人々も、パレスチナの人々も、そして世界も、これ以上は待てない」と強調。最終合意に向け米政府が「今後数日間」、共に仲介役を務めるカタールやエジプトと調整を続けると表明した。
交渉を巡っては、イスラエルのネタニヤフ首相がガザの対エジプト境界地帯への軍駐留継続を主張し、妥結への障害となっている。ミラー氏は、米国が先に提示しイスラエルも同意した「橋渡し案」に人口密集地域からの軍撤退が明記されていると指摘。ガザ境界地帯も「対象に含まれる」と語った。
また、カービー米大統領補佐官(広報担当)は3日、ハマスに拘束された人質6人が遺体で見つかったことを挙げ「可能な限り速やかに交渉を妥結させる重要性を示している」と強調した。ただ、米国が準備中と伝えられる「最終提案」に関しては、具体的な提示時期を定めていないとした。
一方、世界保健機関(WHO)によると、ガザで1日に始まった10歳未満の子供約64万人へのポリオワクチン接種に関し、3日までに約18万7000人が接種を終えた。ガザで活動する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田明宏保健局長は4日、「非常にいい結果だ」と話した。
ワクチン接種のため、特定地域で一時休戦措置が取られているが、イスラエルの攻撃は続いている。ロイター通信は、ガザ各地では3日も攻撃が相次ぎ、少なくとも35人が死亡したと報じた。
[時事通信社]
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