圧力固執なら「人質はひつぎへ」=イスラエル首相に揺さぶり―ハマス
【カイロ時事】イスラム組織ハマスは2日、パレスチナ自治区ガザ南部で拘束していた人質6人が遺体で発見されたことを受け、声明で「(イスラエルのネタニヤフ首相が)軍事的圧力を通じた人質解放に固執するのなら、彼ら(人質)はひつぎに入った状態で家族に返される」と警告した。イスラエル国内で、ガザに残る人質の帰還を求める圧力にさらされているネタニヤフ氏に揺さぶりをかけた格好だ。
軍事部門「カッサム旅団」名義の声明で、ハマスは「人質の死は、ネタニヤフと占領軍(イスラエル軍)が全責任を負う」と主張。「彼らは狭量な利己心のため、人質解放に向けた停戦合意を意図的に妨害している」と批判した。
その上で、イスラエル側が人質の拘束場所に接近してきた場合の対処法について、監視役の戦闘員に「新しい指示が出されている」と指摘。部隊投入による救出を試みれば、人質の命を危険にさらすことになると示唆した。
停戦交渉が滞る中、イスラエルでは1日、政府にハマスとの合意を求める数十万人規模のデモが発生。2日には主要労組の呼び掛けで、大規模なストライキが行われた。しかし、ネタニヤフ氏は2日、ハマスとの交渉の焦点となっているガザ南部の対エジプト境界地帯からの軍部隊撤収について、拒否する意向を改めて示すなど、強硬姿勢を崩していない。
一方、英政府は2日、「ガザで続く紛争で使用される恐れがある」(ラミー外相)などとして、イスラエル向け武器輸出の一部を停止すると発表した。英労働党政権は7月の発足後、ガザでの停戦を求め続けている。ただ、ラミー氏はイスラエルの自衛の権利を支持するとも表明。戦闘機の部品も禁輸対象に含まれるが、イスラエルが保有するステルス戦闘機F35用のものは除外されるという。
[時事通信社]
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