「世界一幸せ」クオッカ笑顔=小型カンガルー、園の人気者―絶滅回避へ募金・埼玉
口元がにっこりと笑っているように見えることから、「世界一幸せな動物」とも呼ばれるクオッカ。小型カンガルーの一種で、国内では埼玉県こども動物自然公園(同県東松山市)だけで飼育されている。その愛くるしさで高い人気を誇る一方、絶滅の恐れもあるとされ、園は飼育環境の向上に向け寄付を呼び掛けている。
クオッカはカンガルー科の有袋類でオーストラリア西部の島に生息し、体長40~50センチ、体重3~4キロほどに成長する。湿地や草木の密集地を好み、暑さが苦手だ。同園の田中理恵子園長によると、島にはクオッカ目当ての観光客も多く訪れるが、違法な餌付けが健康に悪影響を与えているとされ、「何もしないと10年後には絶滅するのでは」と危機感を募らす。
クオッカを同園で初めて受け入れたのは2020年3月。コアラなど豪州生まれの動物の担当者となり、02年には現地まで会いに行くほどクオッカに魅了された田中園長が、開園40年の節目に受け入れを企画。豪政府による厳しい審査を経て雄2匹雌2匹の計4匹を迎え入れた。
今では繁殖にも成功して9匹まで増え、クオッカの画像を載せた園の公式X(旧ツイッター)の閲覧数は2億回を超えるなど人気を博している。
同園は、絶滅を回避するため、夜行性のクオッカが快適に過ごせるよう、薄暗く涼しい室内で生活できる環境整備に取り組むことを決定。資金は寄付で賄うことにしており、6月から募金を開始した。目標は1000万円で9月末まで受け付ける。田中園長は「多くの人にクオッカを知ってもらい、かわいさ以外の魅力も見つけてほしい」と話している。申し込みはhttps://www.parks.or.jp/sczoo/guide/006/006178.htmlから。
[時事通信社]
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