円急騰、一時143円台半ば=3週間ぶり高値、米利下げ確実視―東京市場
26日の東京外国為替市場の円相場は、一時1ドル=143円台半ばに急騰した。5日以来となる3週間ぶりの高値水準。米連邦準備制度理事会(FRB)による9月利下げを確実視する見方が広がる中、日米金利差の縮小を意識した円買い・ドル売りが強まった。午後5時現在は143円88~89銭と前週末比1円94銭の円高・ドル安。
パウエルFRB議長は23日、米西部ワイオミング州で開かれた経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、金融緩和へ政策を転換する「時が来た」と明言した。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始決定が事実上予告され、海外市場で円買い・ドル売りが進行。週明けの東京市場でも、円は一段高となった。市場では「パウエル議長は想定以上に利下げに前向きであり、9月に0.5%の大幅利下げに踏み切る可能性がある」(FX会社)との声が出ている。
一方、日銀の植田和男総裁は23日、衆参両院の閉会中審査で2%物価上昇目標の実現に向け、経済・物価が見通し通りに推移すれば、さらなる利上げを進める方針を改めて表明した。日米の金融政策の方向性の違いが意識され、円相場は今後も上昇基調をたどるとの見方が強まっている。市場関係者は「年内に130円まで上昇する可能性がある」(国内銀行)との見方を示している。
東京株式市場は、円高を受けて自動車など輸出関連業種中心に売りが広がり、日経平均株価は前週末比500円超下落する場面もあった。一方、為替変動の影響を受けにくい陸運株などは買われ、日経平均は254円05銭安の3万8110円22銭と下げ幅を縮めて終わった。
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