「小石河」分裂、党員票でしのぎ=前回総裁選の連携から一転―自民
9月の自民党総裁選で、石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相、小泉進次郎元環境相の「小石河連合」が分裂、競合する見通しとなった。高い知名度を誇る3人は前回2021年の総裁選で連携したが、特に党員票を巡ってしのぎを削ることになりそうだ。石破氏は決選投票をにらみ連携に期待を示すが、党内には懐疑的な見方が出ている。
「今回競い合うことがあっても、根底でつながり合うものがある」。石破氏は23日、記者団の取材に、河野、小泉両氏との将来的な連携に含みを持たせた。
前回総裁選では、河野氏が立候補し、石破、小泉両氏が支援に回った。当時党内最大派閥だった細田派を念頭に「古い自民党と国民との戦いだ」(石破氏)などと改革姿勢を前面に打ち出した。党員・党友票はトップだったが、国会議員票は3位に甘んじ、小泉氏は「完敗に近い」と語っていた。
3人の関係に変化が生じたきっかけは、岸田文雄首相(党総裁)が裏金事件を受けて主導した派閥解散だ。多くの派閥が解散を決定する中で、河野氏が所属する麻生派は存続。河野氏はとどまることを選び、無派閥に軸足を置く石破、小泉両氏とは距離が生まれた。
報道各社の世論調査で、3人の人気は高い。そろって出馬する方向となった今回の総裁選について、党関係者は「党員票の奪い合いは激烈になる」とみる。自民党横浜市連の佐藤茂会長は「小泉氏1本でまとめていくよう努力する」と強調。市連には、小泉氏を支援する見通しの菅義偉前首相が強い影響力を持つ。
総裁選は混戦模様で、1回目の投票で過半数を制する候補が出ず、決選投票にもつれ込む可能性がある。「小石河連合」のつながりが結果を左右するとの見方もあるが、ある中堅議員は「小石河は打算の関係、連携は虚構だ」と指摘した。
[時事通信社]
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