イスラエルとハマス、溝深く=軍駐留で対立も停戦交渉続行へ
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉で仲介役を務める米国などが22日、エジプトの首都カイロでイスラエル側との協議に臨んだ。ロイター通信によると、23日も続行される見通し。だが、イスラエルはガザ南部の対エジプト境界への軍駐留継続を強硬に主張。ガザからの撤退を要求するイスラム組織ハマス側との間で大きな溝が生じている。
イスラエルは、全長約14キロに及ぶエジプトとガザの境界地帯「フィラデルフィ回廊」を5月に掌握。ハマスの武器密輸阻止のため管理権を維持したい考えだが、ハマスのほかエジプトが反対している。
ロイターによると、バイデン米大統領が5月末に停戦案を発表した後、イスラエルが同回廊の管理権を主張し始めたという。ハマス関係者は、今後譲歩すればさらに要求を突き付けてくる恐れがあると警戒している。
最近になって、イスラエルが同回廊への国際部隊の駐留に同意したとも報じられたが、イスラエル首相府は22日の声明で報道を否定。「ハマスの再武装阻止のため同回廊を管理する原則をネタニヤフ首相は主張している」と説明した。
イスラエルはまた、ハマス戦闘員の移動を阻止するためガザ中部に同国が設けた「ネツァリム回廊」についても、以前は同意していた軍部隊の撤退を拒否。仲介国やハマスは方針転換に不信感を抱いているもようだ。
報道によると、カイロの協議にはイスラエルの対外情報機関モサドのバルネア長官、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が出席。ハマスは不参加とみられるが、仲介国から事後的に説明を受けることになりそうだ。地元メディアのタイムズ・オブ・イスラエルは「停戦合意の期待感はしぼんでいる」と悲観的見通しを報じた。
[時事通信社]
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