2024-08-21 15:21スポーツ

因縁の投手に雪辱＝京都国際、悲願へあと一つ―高校野球

６回表京都国際１死満塁、同点の２点適時打を放ち、喜ぶ長谷川＝２１日、甲子園

　０―２で五回までの攻防を終え、迎えたクーリングタイム。京都国際の藤本主将は六回から相手のエース関が登板すると察し、「みんなこいつを打つためにやってきたんだろう。絶対にやってやろう」と仲間を鼓舞した。その言葉通り、一丸で因縁の相手に襲いかかった。
　六回１死、２番三谷は「真っすぐを狙っていった」。鋭い打球を中前に運んで出塁。その後満塁の好機をつくり、打席には好調の５番長谷川。「とにかく食らい付いていこう」。低めに落ちる変化球を捉え、値千金の２点適時打でまずは同点。続く服部の投ゴロで勝ち越すと、それまでの重苦しい雰囲気がうそのように消えた。
　青森山田は今春の選抜大会１回戦で対戦し、敗れた相手だった。「上には上がいると感じた。みんなが目の色を変えて練習してきた」（藤本）。その時に攻略できなかったと感じた関との対戦を頭の片隅に置き、ひたすらバットを振ってきた。藤本は「リベンジが成功してとてもうれしい」と実感を込めた。
　４強だった２０２１年の成績を超えて、悲願の初優勝へあと一つ。「負けた人たちの分まで勝っていかないといけない。ここまで来たら絶対に優勝したい」と藤本。笑顔はなく、前だけを見詰めていた。　
［時事通信社］

６回表京都国際１死満塁、長谷川の適時打で同点の生還を果たす二塁走者・沢田（左）。右は青森山田の捕手・橋場＝２１日、甲子園

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