終戦79年、平和への誓い新たに=天皇陛下「深い反省」―遺族、教訓継承訴え・戦没者追悼式
終戦から79年を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館(東京都千代田区)で開かれた。天皇、皇后両陛下や岸田文雄首相、遺族ら4023人が参列。犠牲となった約310万人の冥福を祈り、平和への誓いを新たにした。天皇陛下はお言葉で、今年も「深い反省」との表現で追悼の意を表された。
新型コロナウイルス感染症に伴い、追悼式は昨年まで4年連続で規模を縮小していたが、今年は制限を設けず開催された。
式典は午前11時50分すぎに始まり、5年ぶりに国歌を斉唱した。その後、正午から1分間、参列者全員で黙とう。続いて、天皇陛下が「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願う」とお言葉を読み上げた。
これに先立ち、岸田首相は式辞で「戦争の惨禍を二度と繰り返さない。戦後79年がたつが、歳月がいかに流れても、この決然たる誓いを、世代を超えて継承し、貫いていく」と述べた。アジア諸国に対する責任には今年も触れなかった。
5歳の時に父が中国で戦病死した福島市の安斎満さん(86)は追悼の辞で、遺族の高齢化に言及。「私たち遺族は、戦争の悲惨さと平和の大切さを今こそ語り継いでいかなければなりません。教訓を伝えていく機会が失われつつある現在、語り部として、子・孫へと継承していくことが遺族の使命でもある」と強調した。
厚生労働省によると、この日参列した遺族は3055人で、戦没者の配偶者の参列は2人にとどまった。最高齢は97歳で、最年少は3歳。8日時点の集計では、参列予定の遺族(3215人)のうち、戦後生まれの割合は47.1%(1513人)と過去最高となった。
[時事通信社]
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