2024-08-14 14:33経済

住宅地の空き地活用支援=公園や避難場所に―国交省

2012年度に整備された神戸市垂水区の「防災空地」。写真上が整備前、下が整備後(同市提供)

 国土交通省は2025年度から、住宅街などの空き地の活用を進める市町村やNPOへの支援に乗り出す。所有者から借り受けた土地を、公園や災害時の避難場所に転用するのにかかる費用を補助する。同年度予算概算要求に関連経費を盛り込む方針だ。
 人口減少を背景に、使われずに空き地状態となっている土地は増加傾向にある。放置されれば周辺の治安や環境に悪影響を与えかねず、将来的に所有者不明となる可能性もある。このため国交省は、所有者不明土地対策の既存の補助事業を拡充し、空き地の有効利用に取り組む市町村や市町村が指定するNPOを支援する。
 具体的には、市町村などが土地所有者と貸借契約を結び、地域に開放する小さな公園「ポケットパーク」や災害時避難場所のほか、緑地や市民菜園に転用することを想定。市町村が事業を行う場合は国が費用の2分の1を、NPOの場合は国と市町村が3分の1ずつを補助する方針だ。
 整備に伴う空き家の取り壊しや、隣接する複数の空き地の集約などの費用も補助の対象とする。空き地の実態把握調査や管理・活用計画の策定も支援する。
 先行事例としては、神戸市では市内の空き地に、火災の延焼を防止するスペースや災害時の一時避難場所となる「防災空地」が整備されている。平時は住民らが交流する場として活用。市が所有者から土地を無償で借り受け、整備や維持管理は地元自治会などによる協議会が担う。所有者の固定資産税は非課税としている。 
[時事通信社]

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