2024-08-12 21:20スポーツ

「鈴木選手は価値ある6位」=女子マラソン、野口みずきさん―リレーコラム〔五輪〕

アテネ五輪の女子マラソン金メダリストで岩谷産業陸上部のアドバイザーを務める野口みずきさん(岩谷産業(株)提供)

 女子マラソンが陸上の締めくくりとなって、いいなあ、うらやましいな、と思いました。閉会式で表彰されるなんて最高ですね。陸上に限らず、アスリートにとって応援はすごく力をもらえる。パリ五輪で改めてそれを強く感じました。
 鈴木優花選手は価値ある6位入賞。難コースで実力者が多い中、チャレンジ精神があり、レース運びもとてもうまかった。(米コロラド州)ボルダーの高地合宿でアップダウンの練習に励んだ成果でしょう。先頭から少し離れても、ずるずると後退せず粘り強かった。地力を示す走りでした。来年の世界選手権、4年後のロサンゼルス五輪へと期待が膨らみます。
 一山麻緒選手は、五輪に向けてうまく合わせられなかったのかなと思います。残念な結果にはなったけれども、精神的にきつい順位にいても諦めず、走り切った。最後まで気持ちを切らさずにいたことは立派です。
 金メダルのシファン・ハッサン選手はすごい。(5000メートル、1万メートルで銅メダルの)トラック種目からあまり日を置かずにマラソン。超人的な体力に加え、勝負に対する執念が素晴らしいですね。
 レース出場がかなわなかった前田穂南選手は悔しかったでしょう。パリ五輪を最大の目標にしていたとは思うけど、これで終わりではない。気持ちを切り替えて次は、今回残念だったことを超える力を見せてほしい。
 ポジティブに考えれば、右大腿(だいたい)骨疲労骨折は治るのが早いのではと思う。私は(連覇が懸かった)北京五輪の直前に(左太もも裏の肉離れで)欠場になりました。筋肉だから先行きが不透明でしたが、前田選手には待てば回復するというプラス思考になってもらえたらと思います。
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 野口 みずきさん(のぐち・みずき)女子マラソンの2004年アテネ五輪金メダリスト。05年のベルリン・マラソンで2時間19分12秒の日本新記録をマーク。今年1月に前田穂南が更新するまで日本記録保持者だった。現在は岩谷産業陸上部のアドバイザーを務めている。三重県出身。46歳。 
[時事通信社]

2004年アテネ五輪の女子マラソンで夕暮れの中、ゴールを目指して力走する野口みずきさん=同年8月22日、アテネ

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