躍進遂げたレスリング=グレコに脚光〔五輪〕
レスリングは男女計13階級に出場し、金8個、銀1個、銅2個と大躍進を遂げた。強豪ひしめくロシア、ベラルーシの選手が不在だったとはいえ、金メダル数とメダル総数は歴代最多となった。
特に目立ったのは男子グレコローマンスタイル。60キロ級では文田健一郎(ミキハウス)が40年ぶりとなる金。さらに、77キロ級の日下尚(三恵海運)はフリースタイルを含め歴代最重量級を制した。同一大会での金2個は、1964年東京五輪以来60年ぶりの快挙。フリーや女子の陰に隠れていたグレコが、脚光を浴びる大会となった。
力と力の勝負となる種目で、日本勢は海外選手に負けないパワーを見せた。前回東京五輪の前から海外合宿を重視し、相手を持ち上げる技術や、防御の技術を磨いてきた成果が実った。
大学や所属先で、これまで以上に強化に力を入れたことも大きかった。担当する笹本睦コーチは「盛り上げたいという思いが一番。全体的なグレコチームとして結果を出せた。小さい子がやりたいと思ってくれればうれしい」。4年後のロサンゼルス五輪では全階級での出場を目標に掲げた。
男子フリー、女子も育成年代から継続してきた強化が軌道に乗り、安定した力を発揮。日本協会の赤石光生強化本部長は「フリー、女子は20年かかった。競技の普及から強化に変わり、それが今、花開いている。グレコはいいスタートを切った」と言い、さらなる競技人口の増加を願った。 (時事)
[時事通信社]
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