「命預かる仕事」思い新たに=日航若手社員、遺族招き講演会―墜落事故39年
墜落事故から39年が経過し、日本航空社内で記憶や教訓の継承が課題となる中、航空機の運航管理を担当する若手社員3人が6月、事故で次男を亡くした美谷島邦子さん(77)を講師として招き、「安全」をテーマにした講演会を開いた。「命や人生を預かって仕事していることを、より一層肝に銘じなければ」―。520人が犠牲となった事故の重さを胸に、空の安全への決意を新たにした。
3人は、本社のオペレーション本部に所属する安立里菜さん(29)と谷内友理香さん(29)、関根美賀子さん(30)。国内外で日航機の滑走路誤進入などのトラブルが相次いだことから、「安全」への感度を高めようと企画した。
若手からベテランまで約100人の社員が参加した講演会で、美谷島さんは「安全をつくるのは人」「安全に終わりはない」と語りかけた。
大学のボート部でレースプランを考えた経験から、運航管理の仕事に魅力を感じた安立さん。内定式の後も、事故機を保存している日航の安全啓発センターを訪れるまでは「安全に直結する仕事」という意識が乏しかったという。美谷島さんの話を聞き、「自分が安全をつかさどる仕事をしていることに、怖さを覚えるくらいの衝撃があった」という。
谷内さんは運航管理の業務の傍ら、重大事故につながる「ヒヤリ・ハット」事例を分析。「安全に向き合い続ける一歩なのかな、と改めて感じた」。今年1月にあった海上保安庁の航空機との衝突事故の際に勤務中だった関根さんは、「不安に思ったら立ち止まる雰囲気を大切にしよう」と気を引き締めた。
事故で当時9歳だった次男の健君を亡くした美谷島さんは、これまでも日航社員に安全の大切さを呼び掛けてきた。「事故を起こしてはいけないということを、いつも心の中に置いてもらいたい」と願っている。
[時事通信社]
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