休養経て、さらに成長=森「自分らしい登り」で―スポーツクライミング〔五輪〕
メダルの色や成績にとらわれない競技を楽しむ姿を見せたかった。スポーツクライミングの女子複合決勝で森秋彩(茨城県連盟)は得意のリードで追い上げたが4位。メダルには届かなかったが「たくさんの歓声が聞こえて背中を押してくれた」と感謝の思いを口にした。
東京五輪出場を逃した後、情熱を失ってしばらくクライミングから離れた。「競技以外のことでも辛いなと思う時期があった」と森。相談を受けた東京五輪銅メダルの野口啓代さんは答えた。「自分がやりたくなるまで休んだ方がいいと思うし、待っているからいつでも戻ってきなよ」
だが休養期間は森を一回り成長させた。筑波大に入学して学業を優先。競技以外にもいろいろ興味を持てるようになったことが余裕につながり、野口さんは「プレッシャーに追われていた時期と違う視点でクライミングを楽しめるようになった。休んでいた期間は秋彩ちゃんにとって大切な時間だったんだな」と振り返る。
「家族に対してたくさん迷惑をかけたが『ここまで元気になったよ』というのを見せられる場として自分らしい登りができればいい」と語ってきた20歳の森。パリまで観戦に来た母への思いを聞かれ、「ここまで頑張れたのはお母さんのおかげだよ、と直接伝えたい」。少し恥ずかしそうに答えた。 (時事)
[時事通信社]
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