排せつケア市場が拡大=超高齢化到来、商品多様に―メーカー各社
大人用紙おむつなどの排せつケア市場が拡大している。1947~49年生まれの「団塊の世代」が75歳以上になる超高齢化社会となり、医療や介護で困難な課題に直面する「2025年問題」を控え需要増大が見込まれ、メーカー各社は多様な商品の開発に知恵を絞る。
民間調査会社インテージなどによると、排せつケア市場の売り上げ規模は19年の783億円から23年には980億円に成長。24年には1000億円を超える勢いだ。
花王は4月、大人用おむつ「リリーフ」シリーズをリニューアルし、履きやすいパンツ型の新商品などを発売。軽い力でもつかみやすく、尻に引っ掛からないなどの工夫を加えた。担当者は「ビジネスケアラー(仕事をしながら介護する人)が増えており、付きっきりでの介護が難しくなっている」と話し、自立を促す商品に力を入れる。
排せつケア市場でシェア1位のユニ・チャームは、尿漏れパッドを積極的に展開する。50代前後から尿漏れが始まる人も多く、担当者は「軽度失禁の人が増えていく」と指摘。女性は生理用ナプキンで代用するケースも多く、ためらわず専用商品を手に取ってもらえるようパッケージにも配慮している。
病院・施設向けに力を入れる大王製紙は、東京大学などとの産学連携で商品の品質向上に取り組む。同社担当者は「介護される人の生活をいかに維持するかが重要」と強調。商品の利用を通じて施設から在宅への復帰を促し、地域包括ケアシステムの整備にもつなげたい考えだ。
[時事通信社]
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