玉井、試練に耐えて銀=歴史変えた技術と精神力―男子飛び込み〔五輪〕
男子高飛び込み決勝。4回目を終えてトップとわずか2.75点差の2位だった17歳の玉井に、試練が訪れた。苦手意識が残る5回目の「前逆宙返り3回半抱え型」で入水姿勢をつくれず、大きな水しぶきが上がった。
「金メダルが取れる位置にいる緊張感に負けてしまったのかな」。決勝12人中最も悪い39.10点を出してしまい、順位が一つ下がった。
しかし、追い込まれても玉井は冷静だった。最終6回目は「後ろ宙返り2回半2回半ひねりえび型」。失敗したダイブよりも高難度だが「相棒であり、一番確実な大技」と絶対的な自信を持つ演技だった。見事に成功させ、今度は12人で最高の99点をマーク。飛び込みで日本勢初のメダルの色を、銅から銀に変えた。
失敗しても立て直せる。その強さの一因として、馬淵崇英コーチは「精神力」と指摘する。高さ10メートルから落下しながら一瞬で技をまとめる種目。先端に立つだけでも恐怖心に支配されるのが一般的だが、馬淵コーチは「怖いなと思いながら、集中して一瞬で100%全部出し切るのは、おそらく玉井しかできない」と明かす。
パワーとスピード、鋭い切れ味で体を動かせる才能に恵まれ、さらに大事な場面で実力を出せる玉井の心の強さ。これが日本の飛び込みの歴史を変えた。 (時事)
[時事通信社]
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