新幹線減速、不安の声も=南海トラフ臨時情報から一夜―東京駅など
南海トラフ地震の「臨時情報(巨大地震注意)」発表から一夜明けた9日午前、臨時情報に伴う東海道新幹線の減速運転で影響を受けたJR東京駅などでは、利用者から不安の声も聞かれた。
JR東京駅では、同新幹線の三島―三河安城間の減速運転を告げる電光掲示板に見入る観光客らの姿があった。岐阜県から旅行に来ていた公務員女性(48)は1泊2日の旅程を終え、この日の夕方に帰る予定。「旅行先で大きな地震に遭うのは怖い。絶対に今日中に帰りたい」と不安そうに話した。
仕事で京都駅に向かう途中の会社役員男性(59)は減速運転を知らなかったといい、「仕事に間に合わないとまずい。京都駅まで迎えに来てくれる部下に遅れることを連絡する」と慌てた様子だった。一方、親戚の結婚式出席のため家族4人で新大阪駅に向かう会社員男性(60)は「結婚式はあしたで、数分程度の遅れなら問題ない」と落ち着いた様子で語った。
JR名古屋駅でも大きな混乱はなかったが、実家の用事で鹿児島県に帰省予定という60代女性は「大きな地震があり心配だ」と不安そうな様子だった。仕事で東京に向かう自営業の女性(40)は減速運転を考慮し「先の予定を考えながら新幹線に乗る時間を早めて対応している」と話した。
臨時情報発表を受け、国は8日、防災対策推進地域に指定されている自治体に今後1週間程度は後発地震に注意することなどを求めた。対象は茨城から沖縄の1都2府26県の707市町村。
[時事通信社]
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