北陸新幹線延伸、費用最大5.3兆円=詳細ルート3案、与党に提示―国交省
北陸新幹線の敦賀(福井県)―新大阪間の整備に関する与党検討委員会の会合が7日、東京都内で開かれた。国土交通省は、敦賀駅から同県小浜市と京都駅を経由して新大阪駅に至る「小浜・京都ルート」について、3パターンの詳細ルート案を提示。建設費は年2%の物価上昇が続く場合、最大5兆3000億円と、当初想定していた2兆1000億円の2.5倍超に膨らむと試算する。
与党は年内にルートを決定する方針で、2025年度中の着工を目指す。ただ、一部の沿線地域や野党からは、滋賀県の米原駅で東海道新幹線に接続する「米原ルート」の方が建設費が抑えられ、工期も短いとしてルートの変更を求める声が出ており、今後の議論に影響を与えそうだ。
今回のルート案は、地下に新設する京都駅の位置が異なる。現在の京都駅付近に設置し、京都駅を東西に通る「東西案」と南北に通る「南北案」、京都駅から西に約5キロの桂川駅付近に設置する「桂川案」の三つに分かれる。
建設費は南北案が最も高く3兆9000億円で、東西案は3兆7000億円、桂川案は3兆4000億円。年2%の物価上昇が続くと仮定すると、それぞれ5兆2000億円、5兆3000億円、4兆8000億円に上振れする。物価上昇のほか、防災対策の強化も費用全体を押し上げた。
工期は、最も短い南北案が25年、桂川案が26年、東西案が28年で、いずれも当初想定の15年より10年以上長くなる。
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