ディーン元気、充実の涙=12年ぶりの五輪で―陸上〔五輪〕
陸上男子やり投げのディーン元気(ミズノ)にとって12年ぶりの大舞台。その1投目は、大きな弧を描いた。6日の予選で今季ベストの82メートル48を記録し13位。惜しくも上位12人による決勝には進めなかったが、「自分を褒めたい。後悔はないし、本当にやり切った」。充実感とこの場に戻れた幸せをかみしめ、涙があふれた。
早大在学時に頭角を現し、2012年ロンドン五輪に初出場。だが以降は度重なる故障に苦しみ「ちゃんとやりを投げられる状態は、12年のうちの後半6年」だったという。
体全体をばねのように使い、腕の力で投げた12年前とは全く違う。体つきは大きくなり、下半身の力を生かす投げ方になった。近年は大きな故障もない。時間はかかったが、再び世界で戦えるレベルに戻してきた。
2本目はファウルになったが、これも80メートルを超えた。「久しぶりに『体が壊れるかも』と思わずに、思い切り競技をした。楽しかった」。けがと戦い続けたディーンにとってこれほどの喜びはなかっただろう。
この大会が集大成ではない。「もちろんロス(五輪)も目指してやる」と断言した。「長くやってきて、やりと仲良くなり始められているのかな」。さらに、やりと向き合うため、32歳のベテランの挑戦は続く。 (時事)
[時事通信社]
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