憧れで始めたスケボー=15歳、「地元のため」―2大会連続で銀・開選手〔五輪〕
銀メダルを獲得したスケートボード女子パークの開心那選手(15)=WHYDAH GROUP=は12歳の時に出場した東京五輪で銀メダルを手に入れ、日本選手史上最年少メダリストとなった高校1年生。決勝の最後に大技を決めると、両手を挙げて笑顔を見せ、終了後、ほかの選手と抱き合った。
北海道苫小牧市出身。大人たちが滑る姿に「かっこいい」と憧れ、スケボーを始めた。小学1年の時から通い、今も練習拠点とする札幌市の施設「HOT BOWL(ホットボウル)」代表、堤裕介さんは「『怖い怖い』と言いつつ、物おじしなかった」と話す。
パークは、おわん型のコースを滑り、技の難易度などを競う競技。おわんの大きさや深さは大会会場ごとに異なり、選手は開始直前のわずかな練習で慣れる必要があるが、堤さんは「開選手はそれができる」と語る。「周りの大人の技を見て学び、自分の滑りに生かしている」という。
採点では、大会を重ねるごとに、技の難易度だけでなく、滑りの姿勢や技の構成なども重視されるようになった。高難度の技を決めて得点を上げてきた開選手は代表に内定する直前、「ジャッジが変わって一発逆転もあり得る」と不安を口にしたという。
「そんなにつらかったら出なくてもいいんじゃない」。そう声を掛けた堤さんに、開選手は「ホットボウルのために『金』を取りたい」と返した。「(開選手は)いつも『一緒に滑ろう』と誘ってくれる」とほほ笑んだ堤さん。「気持ちはうれしいけれど、背負い過ぎず、納得できる滑りをして、楽しんでくれればいい」と語っていた。
[時事通信社]
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