ハシナ首相が辞任、国外脱出=デモ激化で、暫定政権樹立へ―バングラデシュ
【ニューデリー時事】バングラデシュのシェイク・ハシナ首相(76)は5日、反政府デモの激化を受けて辞任し、国外に脱出した。地元メディアによると、ヘリコプターで隣国インドに到着。この後ロンドンに向かうという。
バングラデシュのザマン陸軍参謀長は国民向けの演説で、暫定政権樹立のため大統領に面会すると発表した。主要野党幹部とは既に会談。ただ、軍が暫定政権を主導するかは明らかになっていない。
5日にはデモ参加者数千人が首都ダッカの首相公邸になだれ込んだ。AFP通信によると、同日のデモ隊と治安部隊の衝突で50人超が死亡。7月以降反政府デモが激化し、死者数は少なくとも計350人に達した。ダッカにある国際空港は5日、治安情勢悪化のため閉鎖された。
デモ隊は当初、公務員採用における優遇措置の撤廃を要求していたが、その後ハシナ首相や閣僚の辞任を求めるなどエスカレートした。ハシナ氏はデモ隊を「テロリスト」と表現。要求を受け入れない姿勢を示していた。
4日はデモ隊の一部が警察や与党の関連施設を襲撃。ハシナ氏の父で「建国の父」と呼ばれる故ラーマン初代大統領の肖像画も各地で破壊した。政府は治安維持のため、5日から3日間を休日にした。
デモが激化した7月中旬以降、政府は全土に外出禁止令を出し、インターネットを一時遮断した。日本外務省は7月にバングラデシュの危険情報をレベル2(不要不急の渡航自粛)に引き上げていた。
[時事通信社]
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