真面目な泉谷、高みへ挑戦=高校時代のワンツーが原点―陸上〔五輪〕
陸上界きっての万能選手が、日本勢に高いと思われていた「ハードル」を越えようとしている。男子110メートル障害の泉谷駿介選手(24)=住友電工。目指すは、日本勢として五輪で同種目初となる決勝進出。さらには男子個人トラック種目初の表彰台を視野に入れる。
順大に跳躍選手として入学し、その後軸足を移した110メートル障害で、昨年の世界選手権5位入賞。走り幅跳びでも、自己記録は日本トップクラスの8メートル超を誇る。その原点は、八種競技で全国優勝を果たした高校時代にある。
神奈川・武相高の同級生で、十種競技選手の原口凜さん(24)=大松運輸=は泉谷選手の印象を「陸上に対して真面目。何をやっても陸上のことしかほぼ考えていないぐらい」と振り返る。当初は走り高跳びが中心で持久走の練習は苦手だったが、「限界まで出し切っていた」。脚がつったり、酸欠状態になったりすることも多かったという。
部活動が休みだった日曜日も毎週一緒に競技場に出掛け、遊び感覚で練習。技術的な指導を受けることは少なく、「自分の動画を見ることが一番のアドバイス」。国内外のトップ選手の動画と見比べながら、取り入れられる動きを探り続けた。
高校2年で2人そろって八種競技で全国高校総体に進み、原口さんが8位に入賞した一方、泉谷選手は14位だった。それを機に、泉谷選手はより自分の弱点を意識した練習に取り組んだ。野菜嫌いを克服して食事の量も増え、原口さんは「体の大きさがどんどん変わってきた」と証言する。
互いをライバルとして意識し、高校3年の全国高校総体は「ワンツーを絶対に取る。他の人に負けることを考えていなかった」と原口さん。目標通りに泉谷選手が優勝、原口さんが2位に入った。同校陸上部の監督を務めていた田中徳孝さん(61)は「切磋琢磨(せっさたくま)して、すごく仲が良かった。2人だからよかったのかな」。
原口さんのかつての戦友は、競技愛から来る並外れた努力で世界の表彰台に迫っている。「やれることをやってきてという感じ」と自然体のエールを送った。 (時事)
[時事通信社]
最新ニュース
-
自分が楽しいものを=芥川賞の安堂ホセさん
-
宮田問題で再発防止策=スポーツ庁に提出―体操協会
-
「揺れへの警戒、継続を」=能登地震1年で見解―政府調査委
-
大坂が3回戦へ=錦織は2回戦敗退―全豪テニス
-
古くて新しい物語を=芥川賞の鈴木結生さん
写真特集
-
【高校通算140本塁打の強打者】佐々木麟太郎
-
【駅伝】第101回箱根駅伝〔2025〕
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕