ハリス氏、支持層広げ好発進=勢い継続課題―米大統領選
【ワシントン時事】ハリス米副大統領(59)が、再選を断念したバイデン大統領の後継の民主党大統領候補に指名されることが2日決まった。選挙戦に新鮮な風を吹き込んだハリス氏は、若者ら新たな層の支持を得て、世論調査で共和党のトランプ前大統領(78)を急速に追い上げる。11月5日の投開票日が約3カ月後に迫る中、「ハリス旋風」を一時の熱狂に終わらせず、実際の投票につなげられるかが課題だ。
「厳しい戦いになるがやり遂げよう」。ハリス氏は2日、オンライン会議で支持者を鼓舞した。
ハリス氏は指名を確実視されてから10日余りで、選挙戦を好発進させた。7月の献金総額はトランプ氏の2倍以上の3億1000万ドル(約454億円)に達し、うち3分の2は新規の支援者だった。ハリス氏が軽妙にダンスする動画はSNSで人気を博し、10~20代の「Z世代」の献金者は6月に比べ10倍に増えたという。
「敵失」もハリス氏を助けている。トランプ氏は、黒人の父とインド系の母を持つハリス氏を「インド人から急に黒人になった」とやゆし、人種差別的だと批判を浴びた。共和党のバンス副大統領候補(40)もハリス氏を「子のいない女」と呼んだ過去の発言が炎上。女性かつ人種的少数派であるハリス氏の存在が、対立陣営の自滅を誘っている。
ただ、ここまでは幸運に支えられた面が大きい。限られた時間の中、民主党に新たな候補を吟味する余裕はなかった。有力な対抗馬が現れる前にハリス氏指名の方向性は固まり、バイデン氏の選対スタッフや資金を受け継ぐことができた。トランプ氏より19歳若い黒人女性という刷新感は、政策に関する発信不足を覆い隠している。
クック・ポリティカル・リポートがまとめた主要な世論調査結果の平均によると、7月末の全米支持率はトランプ氏が47.5%、ハリス氏が46.2%。バイデン氏撤退前から1.4ポイント差を縮めたものの、接戦に変わりはない。
有権者の重視する争点では「インフレ」と「移民」が常に上位を占め、政権ナンバー2のハリス氏には説明責任がつきまとう。今後は大統領候補としての資質を巡る厳しい追及が予想され、今の勢いを保てるかが勝敗のカギを握る。
[時事通信社]
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