幼なじみ、切磋琢磨の20年=恩師「金の夢かなえて」―レスリング桜井、清岡両選手〔五輪〕
5日に始まるレスリングでは、高知県出身の桜井つぐみ(22)=育英大助手、清岡幸大郎(23)=三恵海運=両選手がマットに上がる。幼なじみの2人は幼少の頃から桜井選手の父優史さん(48)の指導を受けた20年来のライバル。「金メダルの夢をかなえて」。優史さんは切磋琢磨(せっさたくま)してきた2人の活躍をパリで見守る。
学生選手だった優史さんが高知県でレスリングクラブを立ち上げたのは2004年。当時の同県は「レスリング不毛の地」とも呼ばれ、「メンバーがいないから近所の幸大郎も誘って、つぐみや妹ら5人ほどでスタートした」と懐かしむ。
当初、2人はマットで遊んでいただけだったが、小学生の頃から互いをライバルと意識し合うように。桜井選手がバランスボールの上に立つのを見るや、清岡選手はすぐに挑戦し、2時間で立ってみせた。
中学では桜井選手が全国中学生選手権で3連覇。負けじと清岡選手は高2のインターハイで優勝した。この時、2回戦敗退だった桜井選手は清岡選手の活躍を喜んだが、表彰台に上がる姿を見て「悔しい」と号泣した。
中高時代は1日3~4時間の練習が週6日。遠征では優史さんが運転する車で共に全国を回った。優史さんは「2人とも負けず嫌いで努力家。厳しい練習も歯を食いしばって付いてきた」と振り返る。
桜井選手は昨年9月、世界選手権で優勝し、一足先にパリ五輪代表を決めた。「俺も絶対五輪を取ってこなきゃ」。発奮した清岡選手は今年4月のアジア予選で勝ち抜き、出場権をもぎ取った。
桜井選手は57キロ級で日本時間8日夜、清岡選手はフリースタイル65キロ級で同10日夜から試合に臨む。優史さんは「2人の夢と目標は金メダル。達成して笑顔で終わってほしい」とエールを送った。
[時事通信社]
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