解放でなく国外追放=交換のロシア政治犯が記者会見―独
米ロなどの身柄交換で釈放されたロシアの野党指導者イリヤ・ヤシン氏(41)ら政治犯が2日、移送先のドイツ西部ボンで記者会見した。政治犯全員の解放は必要としつつ、意に反したプーチン政権による「国外追放」だと主張。将来的に「ロシアに戻る」と誓った。
ウクライナ侵攻に伴う弾圧下でも、ヤシン氏らは出国せず、ロシアに残って拘束された。昨年4月に「国家反逆罪」などで禁錮25年を宣告されたジャーナリスト兼活動家ウラジーミル・カラムルザ氏(42)は身柄交換を「解放でなく追放」と表現。プーチン大統領を利することになると警告した。
カラムルザ氏は移送時、国外用パスポートも渡されず、付き添いのロシア当局者から「最後に見る祖国だ」と告げられたことから、政権による追放と受け止めた。自国民を同意なく出国させる行為は「ロシアで憲法違反だ」と訴えた。
一方、ロシアのウクライナ侵攻を批判して「偽情報」流布罪で2022年12月に禁錮8年6月の判決を受けたヤシン氏は「収監1日目から自分を身柄交換の対象にしないよう主張していた」。今回、恩赦に必要なプーチン氏宛ての嘆願書を書くよう強いられ、拒否したと説明した。
結局、無理やり経由地トルコの首都アンカラに移送され、ヤシン氏には「すぐに航空券を買ってロシアに戻りたい」気持ちが浮かんだ。ロシア当局者から別れ際、反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が21年1月にドイツから帰国したような行動を取れば「逮捕され、同じように人生を終える(獄死する)」と脅迫されたという。
[時事通信社]
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