歴史浅い女性用スパイク=けが誘発、英議会で議論も―サッカー〔五輪〕
各国でリーグのプロ化が進むなど目覚ましい発展を見せる女子サッカー。だが、女性用の用具については、開発の歴史がまだ浅い。特に重要な商品となる女性用スパイクが普及し始めたのは、ここ数年のことだ。
以前の女子サッカーでは、男性用を履く以外に選択肢がなかった。女性の足は男性に比べ、甲が低く、かかとを含めて足幅が狭い。動きの激しいサッカーでは、靴の中で足が動く弊害があり、膝の靱帯(じんたい)断裂などの負傷を誘発していると指摘する専門家もいる。
こうした背景もあって、スポーツ用品メーカーの独プーマ社は、2021年に女性用スパイクを開発。当初の1種類から3種類まで増え、日本女子代表(なでしこジャパン)の熊谷紗希(ローマ)らが愛用する。米ナイキ社も同様に力を入れるが、男性用のみを販売しているメーカーはまだ多い。
英BBC放送(電子版)によると、英議会で女性用スパイクの市販品の供給の少なさについて取り上げられたことも。需要の低さや小売業が仕入れを渋る背景もあったというが、国を挙げて取り組むあたりはいかにもサッカーの母国らしい。
欧州では生理に配慮して、ユニホームで白いパンツを使わない動きも広がるなど、女子サッカーへの取り組みがようやく動きだしつつある。プーマの担当者は「女子サッカーのプレーの質は上がっている。注目度も上がっているので、全てのプレーヤーをサポートしていきたい」と話した。 (時事)
[時事通信社]
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