小泉氏、総裁選対応を熟慮=菅氏後押し、父・純一郎氏も容認?
9月に想定される自民党総裁選を巡り、小泉進次郎元環境相(43)が自問自答を繰り返している。菅義偉前首相らを中心に小泉氏の出馬に期待する声がある一方、前回総裁選で連携した「小石河連合」は事実上解消。党内情勢をにらみつつ、対応を熟慮する夏となりそうだ。
父の純一郎元首相は「50歳になるまで総裁選に出るな」と周囲に語っていたとされるが、「本人がやるといったら反対はしない」と容認する姿勢を示したという。ジャーナリストの田原総一朗氏が2日、岸田文雄首相と首相官邸で面会後、記者団に明らかにした。
小泉氏は先月6日に福島県でのイベント参加後、「すべきことをしっかり考えていきたい」と述べて以降、総裁選に関する表向きの発信を控えている。周辺には「判断にはまだしばらく時間がかかる」と話す。
党内で最大の後ろ盾と目されるのは菅氏だ。一般ドライバーが乗客を有償で運ぶ「ライドシェア」推進論を共にリードするなど気脈を通じる。菅氏は世論調査で高い支持を集める小泉氏の「刷新」イメージに期待を寄せる。
もっとも、総裁選出馬に意欲を隠さない石破茂元幹事長も菅氏の支援を得たい考えで、先月に続き会談の機会を模索。小泉、石破両氏が前回総裁選で支持した河野太郎デジタル相も立候補に前向きな姿勢を示しており、「小石河」3氏がライバル関係に転じる可能性がある。
小泉氏は環境相当時、気候変動対策は「セクシーでなければならない」と述べ物議を醸したことがあり、その力量を不安視する向きもある。党内では衆院当選4回の小林鷹之前経済安全保障担当相(49)に期待する声もあり、中堅議員は「2人が出れば若手は割れるだろう」と指摘する。
小泉氏はかねて、43歳で米大統領に就任したジョン・F・ケネディ氏への尊敬の念を口にしてきた。くしくも自身が43歳で迎える総裁選でチャンスをつかみたい本音もうかがえる。最近、周囲に「何が起こるか分からないのが政界だ」と揺れる心情をのぞかせた。
[時事通信社]
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