IOC、公的文書を基に=性別騒動のボクサー巡り〔五輪〕
【パリ時事】国際オリンピック委員会(IOC)のアダムス広報部長は2日、パリ市内で記者会見し、パリ五輪のボクシング女子で、昨年の世界選手権の性別検査で失格となった選手が出場していることについて「出場資格は、公的文書に女性として記載されているかどうかだ」と説明し、方針を変更することはないとした。
国際ボクシング協会(IBA)が統括していた昨年の世界選手権では、イマネ・ヘリフ(アルジェリア)と林郁※(※女ヘンに亭)(台湾)が、男性ホルモンの一種であるテストステロン値を測る検査により、失格となった。だがIOCは、この2人の五輪出場を認め、女性ボクサーでテストステロン値が高めの選手が多いことを根拠に、五輪前にこの検査を行っていなかった。IBAは組織運営の問題などから、IOCから統括競技団体の承認を取り消され、パリ五輪の競技運営に関わることはできない。
渦中のヘリフが女子66キロ級で対戦したアンジェラ・カリニ(イタリア)が46秒で棄権。イタリアのメローニ首相も抗議の声を上げる事態にまで発展した。
ただ2選手とも生まれつき女性であり、東京大会にも出場。2人がトランスジェンダーであるという誤った情報も拡散されている。性別の定義について、アダムス広報部長は「包括的で差別のない性別検査を行うのは不可能で非常に難しい。当面は、パスポートという現在あるもので進めなければならない」と現状を説明した。
[時事通信社]
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