同窓会組織巡り「不正支出疑い」=岩本理事長関与を指摘―第三者委が報告書・東京女子医大
東京女子医大(東京都新宿区)は2日、一般社団法人法の特別背任容疑で家宅捜索されたことを受けて設置した第三者委員会(委員長・元最高検次長検事の山上秀明弁護士)が取りまとめた調査報告書を公表した。第三者委は岩本絹子理事長について、同窓会組織「至誠会」などを巡って「不正支出の疑いを生じさせる行為があった」と認定した。
警視庁は3月、至誠会から勤務実態のない職員に給与が支払われた疑いがあるとして、同大や岩本氏が院長を務める産婦人科などを捜索した。同氏は2023年4月まで至誠会の会長でもあった。
第三者委は報告書で、同会から大学に出向していた職員2人の人件費について、必要な控除がなかったと指摘。「2人は給与の二重払いを受けていた」とした。
また、至誠会枠の推薦入試制度で、東京女子医大は受験生側から寄付金を収受しており、文部科学省通知に反する可能性があるとした。卒業生が同大への採用や昇任を希望する際も、同会への寄付が事実上強いられたと認めた。
いずれの問題も岩本氏が副理事長に就任した14年以降に起き、同氏の知人の会社などが関与していたといい、「岩本氏は不正支出の疑義を生じさせる行為を繰り返した」と言及した。
[時事通信社]
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