事故リスク払拭できず=ギアにひび、破断―根本原因不明・オスプレイ
昨年11月に鹿児島県・屋久島沖で起きた米軍横田基地(東京都)配備の輸送機オスプレイ墜落事故について、米空軍が事故調査報告書を公表した。動力を伝えるギアにひびが入る不具合と、警告灯の点灯後に早期に緊急着陸しなかったパイロットの判断ミスが原因だったと結論付けた。日米両政府は「安全対策は講じられている」と強調するが、報告書が「破滅的故障」と指摘するギアにひびが入った問題の根本的な原因は不明とされており、事故のリスクが完全に払拭されたとは言い難い。
報告書によると、今回の事故では左エンジンの動力をプロペラに伝える「プロップローター・ギアボックス」(PRGB)内のギアの一つにひびが入り、破断。金属片がシャフトを回す別のギアに挟まり、歯車が摩耗してエンジンからの動力を伝達できなくなった。ひびが入った原因は二次的な損傷により特定されていないため、再発防止策も整備頻度を増やすなど対症療法的なものにとどまる。
陸上自衛隊に配備されているオスプレイも基本的な機体の構造は同じで、今回の事故のリスクは日米オスプレイに共通する。昨年8月には静岡県沖を訓練飛行中の陸自のオスプレイで、PRGB内に金属片があることをセンサーが感知。予防着陸して調べたところ、金属片が確認されたためPRGBを交換した。
木原稔防衛相は2日の記者会見で、この予防着陸について「ギア等の摩耗という一般的なもので、所定の対応手順に従い最寄りの静浜基地(静岡県焼津市)に安全に着陸した。ギアの破断も生じておらず、屋久島沖墜落事故と異なる事象と考える」と説明した。
[時事通信社]
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