遠いメダル、思いは強く=日本引っ張った16歳岸―体操〔五輪〕
岸は、初めて出た昨年の世界選手権と同じ個人総合11位。今回もメダルまでの距離は少し遠かった。それでも、初の五輪で「大きなミスなくここまでやり遂げたのは、すごくいいこと」。自分に及第点を与えた。
今の実力でメダル争いをするには、4種目とも完璧に近い実施が最低条件だった。平均台は連続技でふらつき、得点源のゆかも着地で弾み、出来栄えを示すEスコアはともに低めの7点台。他の2種目を含め、高得点の目安である14点台に乗せられなかった。
ただ、ずっとそばで見守った豊島コーチは、大舞台での16歳の変化を感じ取っていた。予選と団体総合決勝を含めた12の演技に大きなミスはなく、「成長した」と目を細めた。
飲酒、喫煙問題で宮田が五輪直前に離脱する緊急事態の中、岸はエースの代役として団体決勝進出に貢献するなど日本を引っ張った。「もっと質を高めればメダルも見えてくる。次のロサンゼルス五輪では絶対に取るぞという気持ち」と志を新たにした。
全ての演技を終えた後、会場の視線を独り占めしたバイルスがゆかで驚異的な跳躍を続ける姿を目に焼き付けた。「高さがやばくて、どこまで行くんだろうって」と笑う岸。5日の種目別ゆか決勝は、バイルスと同じ舞台で争う。「メダルを狙いたいけど、とりあえずEスコアを8点台に乗せたい」。少し控えめに宣言した。 (時事)
[時事通信社]
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