2024-08-01 21:50スポーツ

メダルなくとも輝かしく=古川、まさかの初戦敗退―アーチェリー〔五輪〕

男子個人1回戦、的を狙う古川高晴(右)。左は対戦相手の中西絢哉=1日、パリ

 集中していた顔を、くしゃっとしかめる。6大会連続出場の古川にとって、まさかの初戦敗退。「東京五輪の後、金メダルを目指してきた。その挑戦の結果」。力は出し尽くしたと信じ、自身のパリ大会は終了した。
 大学の後輩に当たる中西を相手に、序盤はショットが安定。第2セットを終えて4―0とリードした。ところがここから逆転された。「全体を振り返ると、自分の精神面が弱かったということ。それが勝負」。照り付ける日差しの下、唇をかんだ。
 長く日本のアーチェリー界を引っ張ってきた。2012年ロンドン大会に始まり、ここまで通算3個のメダルを獲得。今大会に向けてもフォーム改造に励み、大会中も何度も日本に連絡して確認した。「この舞台で戦えて感謝。僕一人では無理なので」とうなずく。
 敗れても中西には「頑張れよ」との言葉と共に握手。報道陣への取材対応が終わると、帽子を取っておじぎした。後輩から慕われるのは、先駆者というだけではない。今後の進退は「帰国してから」と保留し、「アーチェリーを突き詰めようとすると、自分自身の理解も深まった」と振り返る。首にメダルはなくとも、歩んできた道は輝かしい。 (時事)
[時事通信社]

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