2024-08-01 18:37社会

「もっと上を」重ねた努力=7位入賞、元は長距離走―競歩・池田選手〔五輪〕

陸上男子20キロ競歩、ゴールを目指す池田向希選手=1日、パリ

 陸上男子20キロ競歩で7位に入賞した池田向希選手(26)=旭化成。東京五輪で銀メダルを獲得後も、「もっと上を目指さないといけない」と努力を重ねてきた。
 静岡県出身。長距離走の選手だったが、浜松日体高校(浜松市)に進んだ後、当時の陸上部顧問から「競歩をやらないか」と誘われた。父茂さん(55)は「こつこつ真面目に練習していた。誘ってもらって良かった」とほほ笑む。
 顧問を引き継ぎ、指導した北條尚教諭(37)は、競歩を始めた当初の池田選手について、「速かったが、光るものがあるかと言われたら、なかった」と振り返る。
 当時の陸上部には競歩の選手が少なく、池田選手は長距離選手と一緒に1000メートル走などの練習を重ねつつ、外部の強化合宿などに積極的に参加した。週末には自主的に競歩の練習を行っていたといい、茂さんは「今でも帰省したら『30分~1時間くらい歩いてくるわ』と出ていくことはよくある」と話す。
 頭角を現したのは、高校3年の県大会だ。競歩は決まった歩型で歩き続けなければならないが、北條教諭はこれまでの失格経験からナーバスになっていた池田選手に、安全に、攻めずに挑むよう勧めた。結果は自己ベストを1分半ほど更新しての2位。トップとの差は3~4秒差しかなかった。
 北條教諭は「自分で考えるように」と指導してきたという。「周りの選手やコーチの意見を吸収し、自分のものにしていたのではないか」と語っていた。 
[時事通信社]

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