「フェラーリ」が真骨頂=岡、華麗に力強く―体操〔五輪〕
パリの目標に「団体、個人総合、種目別平行棒の金メダル」を挙げていた岡。これまでの実績からは過大にも思われたが、そのうち二つを達成してみせた。「緊張をかみしめながら、楽しんで演技できた」。表情は満足感でいっぱいだった。
実力だけなら橋本や張博恒(中国)が上回る。だが、ともに体力面の不安が露呈し、橋本はあん馬で落下。張はゆかの着地が乱れて珍しく頭と両手を付いた。強者が次々と崩れても、岡は淡々と表情を変えない。跳馬を除く5種目で、全体4位以内の高得点を挙げた。
中学生時代から素質を認められ、シニアに交じって特別に日本協会の強化合宿に参加した。その後の歩みは体操界では常識外れ。希望の高校に進めなかったこともあり、社会人で強豪の徳洲会に入って貪欲に技を磨いた。
所属先の米田功監督は、基本に忠実でありながら華麗で力強く、制御に難しさも伴う岡の体操をイタリアの高級スポーツカー「フェラーリ」に例える。これまで安定感を欠くこともあったが、ついに真骨頂を発揮。日本男子の水鳥寿思監督は「フェラーリを完璧に乗りこなした」と脱帽した。
徹底したプラス思考を競技に生かしてきた。2022年、右膝に大けがをした際は、「チャンス。日本が弱いつり輪を強化できる」。足を使う練習ができない期間に力技の中水平を加え、降り技のひねりも増やして難度を示すDスコアを大幅に上げた。
チーム最年少の20歳は「しんちゃん」と呼ばれ、かわいがられるような存在。金メダルが決まると、橋本に「やったな、おめでとう」と祝福された。「ずっと橋本選手に勝ちたいと思っていた。一つ、課題はクリアした」。五輪と世界選手権王者だった橋本を破ることも、さらなる成長の過程と捉えていたようだ。 (時事)
[時事通信社]
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