信頼回復、前途は多難=認証不正で是正命令―トヨタ
自動車の大量生産に必要な認証「型式指定」を巡る不正問題で、トヨタ自動車が国土交通省から是正命令を受けた。新たな7車種の不正を社内調査では見落とし、国交省の検査で発覚するという失態まで判明。信頼回復への道は前途多難だ。
「起きている事象への理解が甘かった」「まだまだ改善すべき課題がある」。是正命令を受けた31日、トヨタの佐藤恒治社長は硬い表情で記者団に反省の弁を繰り返した。
トヨタは6月初旬、国交省の指示による社内調査の途中段階で、7車種について不正が判明したと公表。7月5日には、社内調査がすべて完了し、それ以外の新たな事案は確認されなかったと発表していた。
トヨタは不正の原因について、認証業務の重要性への認識不足や申請書類作成の運用ルールが不明確だったことなどを挙げた。これらを踏まえ、8月中に再発防止策を国交省に提出する方針だ。
豊田章男会長は最初の不正発覚を受けた6月の記者会見で、あいまいな認証制度による現場の負担の重さを指摘。国交省と制度の見直しを議論する必要性にも言及した。ただ、国交省内には認証制度に責任を転嫁するような豊田氏の姿勢を疑問視する向きも多く、トヨタ側の思惑通りに見直しが進むかどうかは不透明だ。
トヨタでは2021年、全国の系列販売店で車検の不正が相次ぎ発覚。その後、日野自動車などの系列メーカーでも認証の不正が次々と噴出した。一連の問題がトヨタ本体にも波及したことに対し、グループ内では「自動車業界全体が信頼を得られなくなる」(大手部品メーカー幹部)と動揺が広がっている。
[時事通信社]
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