自民に「コバホーク」待望論=刷新期待、ちらつくベテラン―総裁選
自民党総裁選で小林鷹之前経済安全保障担当相(49)の出馬に期待する声が出ている。衆院当選4回ながら閣僚経験がある小林氏に刷新イメージを重ね合わせているためだ。ただ、手腕は未知数でベテランの影もちらつく。
「いつか国のかじ取りを担えるよう研さんを積んでいるつもりだ。今は政治家としての力を高めていく」。小林氏は26日のBS11番組で、総裁選出馬について尋ねられると、肯定も否定もしなかった。
小林氏は財務官僚出身で、旧民主党政権時に野党だった自民党の公募に応じ政界入り。実務家肌で物腰も柔らかく、党内で敵は少ないと評される。二階派に所属している。
名前の「鷹」から「コバホーク」とも呼ばれる小林氏が総裁候補と目され始めたのは今春以降。派閥裏金事件で自民批判が渦巻く中、「若手に人材がいることをアピールすべきだ」との党内世論に押し上げられた格好だ。二階派に限らず、選挙に不安を抱える若手からは「党が変わったと思われるチャンス」(茂木派)、「刷新感が大事だ」(安倍派)との期待が高まる。
ネックは知名度だ。「次の総裁」を尋ねる世論調査では上位から大きく引き離されており、重鎮は「騒いでいるのは永田町だけ。国民はほとんど知らない」と党内外のギャップの存在を指摘する。
待望論はベテランからも出ており、筆頭格は麻生派の甘利明前幹事長。党の経済安保政策の元締め的存在で、小林氏を「逸材だ」と引き立ててきた。二階派ベテランも「思い切って出ればいい」と話す。ただ党内には「ベテランの影響力を拡大する道具にされかねない」(中堅)と警戒する向きもある。
小林氏に近い若手は「ベテランに引っ張られるのではなく、中堅・若手で支えられるかがポイントだ」との見方を示した。
[時事通信社]
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