偉業の価値高める「二刀流」=堀米雄斗、競技だけでなく―スケートボード〔五輪〕
スケートボード男子ストリートで五輪連覇を遂げた堀米雄斗選手(三井住友DSアセットマネジメント)。偉業の価値を一層高めるのが、競技とは別にプロスケーターの本業である映像制作活動に力を入れていることだ。「二刀流」で活躍するスケーターが世界的にも少ない中、堀米は両方を大切にしてきた。
五輪や賞金大会Xゲームズなどがコンテスト(競技)として扱われる一方、街中を滑る姿を形に残すのが「ビデオパート」と呼ばれる映像制作。専属カメラマン「フィルマー」と共に、時には数年がかりという膨大な時間と労力を費やして作品を生み出す。収益につながる半面、けがなどのリスクが伴う。
スケートボードの世界ではコンテストで勝つことと、ビデオパートの賞を獲得することは同等には扱われない。映像の全盛期は過ぎ去り、近年は急速に競技化が進む。「五輪なんてダサい」という人もいれば、「いくら映像が世界で評価されても日本では大きな契約にはつながらない」との見方もある。カルチャーかスポーツかの議論は尽きないが、今のスケートボードはその両方の要素があるからこそ面白い。
堀米選手の根本にあるのは「スケボーを大きなものにしたい」との強い思い。「葛藤する部分もあるが、自分の夢や目標には(競技も映像制作も)不可欠」。父の亮太さんの影響で昔のスケーター映像を見て刺激され、それらに自分なりのアレンジを加える。両方を追うからこそ、周りよりも多くの新たなトリックを習得できた。
似て非なる競技と映像を高い次元でこなす姿勢が、一流スケーターの地位を確立している要因だろう。メダリストが並んだ記者会見などでは次のロサンゼルス五輪を含め、今後のことを何度も聞かれた。「いい作品もまだまだ作れるし、五輪もある。体が動く限りはやっていきたい」。25歳には無限の可能性が広がっている。 (時事)
[時事通信社]
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