いきなりの酷暑に困惑=パリ五輪、今後も対策必須〔五輪〕
開会式が行われた26日の夜は冷たい雨が降りしきったパリ。大会第4日の29日と翌30日は、一転して30度を超える暑さとなった。世界的な気候変動で、フランスにも近年は毎年のように熱波が到来。3年前の東京に続いて、「酷暑」という課題が今大会も浮かび上がった。
直接的な影響を受けたのが、屋外競技の選手たち。29日に行われたスケートボード男子ストリートでは、14歳の小野寺吟雲が熱中症のような状態になってしまい予選落ち。アーチェリー男子団体に出場した斉藤史弥(日体大)も熱中症となり、試合後は会場の救護室へ運び込まれた。「だるさがあって、立っていることに必死だった。こっちに来てから一番の暑さだった」。その前の1週間ほどは過ごしやすい気候が続いており、突然の暑さに順応できなかったようだ。
日差しは観客にも容赦なく襲いかかる。パリの名所各地に設置された競技会場は今大会の目玉の一つだが、鉄骨で組まれた仮設の客席は基本的に屋根がない。30日にアーチェリーが行われたアンバリッド(廃兵院)のスタンドは、時間が進んでいくにつれてまばらに。会場周辺の木陰に座り込み、体を休める人が多かった。
8月1日からは屋外競技の花形、陸上が男女20キロ競歩を皮切りにスタート。フランス気象局によると数日間は暑さが続く見込みで、氷で体を冷やすなどの暑さ対策も勝敗の鍵となりそうだ。大会組織委員会は開幕前、競技開始時間を変更する可能性にも言及。30日にはテニスでセット間に10分間の休憩を挟む措置が取られたが、より弾力的な対策が講じられるかもしれない。 (時事)
[時事通信社]
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