3度目もメダル届かず=高市、歩みに後悔なし―柔道〔五輪〕
柔道人生の全てを懸けて臨んだ3度目の五輪。それでも待っていたのは残酷な結果だった。女子63キロ級2回戦で敗れた高市は「もっと試合がやりたかった。『何やってんだよ』という気持ちと、『もうこれ以上、頑張れない』という気持ちが交じっている」と涙を流し続けた。
クリストに対し、1度は抑え込んだが、仕留められなかった。延長に入って二つ目の指導が高市に入る。「少し動揺して、焦りに変わったのかな」と増地監督。それまで防げていたはずの背負い投げを食らってしまった。
故障の影響もあって早々と敗れた東京五輪から3年。自分の中の不完全燃焼を消すため、膝の手術を受けて復帰し「一つ一つが最後になると思って、試合をするようになった」。弱気な自分が出てきても「それもひっくるめて全部が自分。不安があってもいい」。濃密な時間を経て大舞台に戻ってきた。
日本から来た応援団を目にして「私一人だけの五輪ではなかった。たくさんの人がいて挑めていたんだな」と気づくことができた。「メダルが手に入らなかったのはしょうがない。これからの人生、胸を張って生きていきたい」。全てを受け入れた穏やかな30歳がいた。 (時事)
[時事通信社]
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