見通し甘く、天気次第=セーヌ川で最初の種目―トライアスロン男子〔五輪〕
トライアスロン男子は今大会、セーヌ川で実施する最初の種目だった。水質問題は以前から指摘されており、28、29日の公式練習が中止になっていた。最近の調査結果などから延期は予測の範囲内ではあったが、印象は悪い。
水質悪化の原因は雨によるもの。古い街のパリは雨が降ると排水溝から汚水があふれることが多く、それが川に流れ込むことで水質が悪化する。セーヌ川で開会式を行った26日と翌27日にかなりの降雨があり、回復に時間を要している。
昨夏にはオープンウオータースイミングのワールドカップ(W杯)が、降雨による水質悪化で中止になった。汚水の流入を防ぐ貯水槽が完成するなど、五輪開催への対策を施し、パリのイダルゴ市長は「このおかげでセーヌ川で泳げるようになる」と自信を見せていた。しかし、市が発表する水質調査の結果を見る限り降雨があれば悪化、好天が続けば水質が回復。1年前と状況はほぼ同じだ。
大会主催者などは延期発表で「私たちの管理できない気象によって水質が変化した」としている。セーヌ川で実施する以上、主催者はそれも考慮すべき事案のはずで見通しの甘さは否めない。ただ大会が始まってしまった以上、水質改善のための対策はもう取れない。今は好天を祈るしかない。 (時事)
[時事通信社]
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