夫の支えも、2回戦敗退=リオ、東京の雪辱ならず―柔道・高市選手〔五輪〕
柔道女子63キロ級、高市未来選手(30)=コマツ=は過去2大会、苦杯を喫した。けがにも苦しんだが、夫の賢悟さん(31)の支えで乗り越えてきた。人生の伴侶と共に悲願のメダルに挑んだが、2回戦で敗れ去った。
序盤で敗退した東京五輪直後、無力感にさいなまれ、「ここで戦うべき人間ではないのかな」と思うこともあった。2022年2月には左膝の前十字靱帯(じんたい)を負傷。長期休養を余儀なくされた。
「十分頑張ってるよ」。休養中、賢悟さんはそう言葉を掛けた。14年から交際を始め、リオデジャネイロ、東京両五輪の高市選手の頑張りを見てきた。もうこれ以上頑張らなくていい―。内心、そう思っていた。
だが、高市選手は違った。「このままやめたら後悔する。イチかバチかやってみるか」。心に残る不完全燃焼の火を消すため、手術に踏み切る。22年10月、復帰戦となった講道館杯で優勝。翌月、賢悟さんと結婚した。
賢悟さんも世界選手権に出場するなど第一線で活躍し、世界に挑み続ける大変さを熟知している。妻にはたびたび「現役で頑張っていること、五輪に挑戦するのはすごいことだよ」と言葉を掛けてきた。
賢悟さんは台湾代表のコーチとして昨年から現地で指導に当たっている。高市選手は日本を拠点に練習を続け、電話やSNSで近況を報告し合っているという。「夫は常に味方でいてくれる。自分にとって大きな存在」。そう感じている。
[時事通信社]
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