出口クリスタ、「心にくる重さ」の金=長野育ちのカナダ代表が栄冠―柔道〔五輪〕
畳にこすれて赤くなったおでこが激闘を物語っていた。柔道女子57キロ級は、世界ランキング1位でカナダの出口が制覇。金メダルを首にかけ、「心にくる重さを感じる」と感慨深げに言った。
準々決勝以降は延長戦を勝ち抜いた。シシケ(フランス)との準決勝は8分49秒、許美美(韓国)との決勝は6分35秒。耐えに耐えて頂点に立った。
カナダ出身の父と日本人の母を持ち、長野県で生まれ育った。長野・松商学園高時代から、日本代表に選ばれてシニアの国際大会で活躍したが、伸び悩んだことで2017年からカナダ代表として戦うことを決断した。「何か変化が必要だった。競技力を向上させるために、自分のルーツを有効に使うことにした」。19年には世界選手権で初優勝を遂げた。
苦しみは何度も味わった。21年東京五輪の出場はかなわず、現役生活にピリオドを打つことも考えた。それでも、3学年下の妹で今大会に52キロ級で出場したケリーと二人三脚でパリを目指してきた。「階級を一つ落としてまで『一緒に出よう』とやってくれた」と感謝を口にする。
東京五輪銅のクリムカイトとのし烈な代表争いを制して臨んだ夢舞台には、最高の景色が待っていた。山あり谷ありの柔道人生。胸を張ってこう言えた。「選択を一度も後悔したことはない」。 (時事)
[時事通信社]
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