フランスの熱狂に感傷も=羽根田「五輪大好き」―カヌー〔五輪〕
5番目に出た羽根田は、ゴールした時点で4位にとどまった。レース後は不安げな表情で電光掲示板を見詰めた。最後の選手が競技を終えたところで、準決勝敗退が決定。「惜しかった」。何度も首を振った。
もう少し、五輪の雰囲気を味わいたかった。無観客開催だった東京大会とは対照的に、ほぼ満員の観客席から熱烈な声援が注がれた。「これだけのムードの中で戦ったのは初めて。熱狂の渦の中で皆さんにパフォーマンスを見てもらえたのはうれしく思う」。込み上げてくるものがあった。
2016年リオデジャネイロ五輪で、カヌー・スラロームでアジア初のメダリストとなった。この競技の日本での認知度向上に、羽根田が果たした役割は大きい。「(以前は)冷ややかな目で見られ、カヌーをやっていますと、胸を張って言えなかった」と明かす。自らが先頭に立ち、カヌー界の未来を変えようと奮闘してきた。
決勝で涙した東京大会とは違い、今回は表情に充実感をにじませた。5度目の大舞台で「改めて五輪が大好きになった」と、しみじみ話した。歓喜に浸ることはできなかったが、37歳の羽根田はまた貴重な経験を積んだ。 (時事)
[時事通信社]
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