2024-07-29 15:56スポーツ

なでしこ、一丸で=勢い生む逆転勝ち―サッカー女子〔五輪〕

サッカー女子1次リーグ、ブラジル戦で同点となるPKを決め、喜ぶ熊谷(中央)=28日、パリ

 試合後、ほっとしたように涙ぐんでいた選手たちの表情が、ブラジル戦の重要性を物語っていた。第1戦でスペインに敗れ、主力の清水が負傷離脱。1次リーグ3位でも突破の可能性があるとはいえ、追い込まれていた。
 前半終了間際、攻め上がった守屋の放ったシュートがハンドの反則を誘い、PKを獲得。しかし田中が決められない。先手を取ることができず、後半カウンターからリードを奪われた。
 選手交代で圧力を強め、試合終了が迫る中、今度は谷川がPKを得た。重圧のかかる場面。池田監督は「1番ふさわしい」と熊谷を指名した。ブラジルサポーターのブーイングが飛び交う中、主将は冷静だった。「ああいう場面で(早めに)動くだろうと。見えちゃった」。熊谷から見て、左に動くGKの逆へ流し込んだ。
 こうなれば押せ押せだ。臆せず前掛かりになり、19歳の谷川がこぼれ球をロングシュートでゴールに沈めた。スタジアムの盛り上がりは最高潮に。「見ている人全員の心を裏返したかな」と熊谷。「こういった勝ちが本当に次につながる。こういう大会では、意味のあるものに絶対なってくる」
 スペイン戦で先制点を挙げた藤野がコンディション不良でベンチ入りを外れた不安要素もあるが、チーム全体で波に乗っていくしかない。長谷川は「みんなが救われた試合」と実感を込めた。 (時事)
[時事通信社]

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