2024-07-29 07:49スポーツ

つかんだメダル挑戦権=日本女子、髪留めに思い―体操〔五輪〕

宮田笙子が合宿で全員に配った髪留めをつけ予選に臨んだ日本チーム。中央は岡村真=28日、パリ

 1万人ほどの大観衆と大音響。国内大会とは別次元の雰囲気の中、日本勢が丁寧に演技を積み重ねた。コーチ陣の想定を上回る得点を上げ、団体総合予選を5位で突破した。
 「やったるで」。開始前の円陣で牛奥が叫ぶと、4人は重ね合わせた手を高く掲げた。トップバッターは牛奥。落下もある段違い平行棒で冷静に技を決め、着地はピタリ。「いい流れがつくれた」との言葉通り、平均台、ゆか、跳馬を含む全ての種目で全員が大きなミスを出さなかった。
 大舞台を前にエースで主将の宮田が飲酒、喫煙問題により急きょ代表を辞退。騒動に発展して異例の注目を集めても、残ったメンバーは動じなかった。田中光監督は「(全員が)初代表で心配もあったが、本当にすごい」。
 最終合宿地のモナコで調整中、離脱前の宮田がチームに配った物がある。レオタードに合わせた、おそろいの髪留め。全員がつけて演技に臨んだ。他チームより1人少ない4人での戦いを強いられながらも、岡村は「5人で戦えた」と言った。
 宮田に代わりチームを引っ張った岸は、「メダルを目指している。最後まで諦めずにやる」。大黒柱が抜けても目標を変えなかった日本。団体60年ぶりとなる五輪の表彰台へ、挑戦権をつかんだ。 (時事)
[時事通信社]

体操女子予選、跳馬の演技をする牛奥小羽=28日、パリ

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