作戦・装備・核抑止で「一体化」=日米、28日に2プラス2
日米両政府は28日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を東京都内で開く。自衛隊と米軍の指揮統制の連携を強め、防衛装備品の共同生産を拡大する方針を確認。「核の傘」提供を含む米国の拡大抑止の信頼性を高めるため、閣僚会合も初開催する。作戦、装備、核抑止の3分野で「一体化」を加速させる。
2プラス2は2023年1月に米ワシントンで開いて以来。対面とテレビ会議形式を合わせ、22回目となる。日本から上川陽子外相と木原稔防衛相、米国からブリンケン国務長官とオースティン国防長官が出席。拡大抑止会合にも同じメンバーが参加する。
指揮統制を巡っては、日本は今年度末に陸海空3自衛隊を一元指揮する「統合作戦司令部」を創設する。米側は現在、ハワイのインド太平洋軍司令部が在日米軍を指揮する構造だが、この権限を日本国内の司令部に一定程度移す。平時の作戦計画策定から有事の出動まで切れ目なく連携できるよう、双方の体制を整えるのが目的。調整を加速させるため、2プラス2で作業部会の設置を申し合わせる。
武器・弾薬の供給不安に対応するため、日米は防衛装備品の共同生産を拡充する方針だ。ウクライナ情勢を受けた米国の備蓄不足を補うため、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の部品などの対米輸出を議論。インド太平洋地域での人道支援・災害救援分野の連携を強めるため、日本に拠点を整備することも改めて確認する。
いずれも4月の首脳会談で方向性が示された内容。11月に米大統領選を控え、防衛省関係者は「米国第一主義」を唱えるトランプ前大統領の再選も視野に、「固められるところまで固めておくことが重要だ」と強調した。
今回、拡大抑止について2プラス2と別に会合を設定。核戦力を増強する中国などに対し、抑止の強いメッセージを発する狙いがある。米国がどのような場合に核報復を発動するかなどを整理する新たな共同文書作成について協議を開始する見込みだ。
[時事通信社]
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